小室 智広(法律学科、2004年卒)
株式会社三菱東京UFJ銀行
私は2004年に法学部を卒業後、現在都市銀行にてプロジェクトファイナンス業務に従事しております。プロジェクトファイナンスとは、主として国内外の資源、発電、インフラ関連のプロジェクトへの融資を指しますが、企業の信用力や担保価値を元に融資を行う一般的な貸出形態とは異なり、プロジェクト自体から生み出されるキャッシュフローに依拠する形で融資を行うため、プロジェクトに関するリスクを正確に把握し、そのリスクを分析する必要があります。したがって、当該業務を進めるにあたっては、高度な分析力のみならず、論理的な思考力やそれらを駆使して得られた情報を効率的且つ効果的にアウトプットする能力が特に求められます。その点、私が大学時代に学んだ法律知識は、今の業務に直接関係しているわけではありませんが、4年間法律を学んだことで自然に身についた「物事を論理立てて考える癖」が、今の仕事に活きていることは言うまでもありません。
特にゼミでは、少人数制で授業が行われることもあり、自然と考えさせられる機会が多くなることから、効果は抜群でした。私の大学4年時の所属ゼミは、知的財産権法でしたが、毎回与えられる事前課題が全て英語であったこともあり、多少の苦労はあったものの、この1年間で法的思考力のみならず、英語力も鍛えていただいたことに、今では非常に感謝しております。また、大学3年時には上智大学が交換留学協定を結んでいるペンシルバニア大学への短期留学も経験させていただきましたが、そこで出会った国際的な視野を持つ学生達との出会いは、現在の仕事を選ぶきっかけを与えてくれました。
勉強以外でも、私は軟式野球サークルに所属し、大好きな野球に打ち込んだり、人に教えることが好きであったことから家庭教師のアルバイトをしたり、4年間の大学生活において好きなことや興味のあることは、ほぼ全てやり切りました。今思い返せば、勉強や留学だけではなく、サークル活動やアルバイト等を通して得た全ての経験が、何かしらの形で現在の社会人生活に活かされており、あらためて様々な経験を積んでおいて良かったと実感しております。そして、大学時代に得ることができた何よりもかけがえのないものは、学内外問わず大学生活を通して知り合った友人達です。現在でも定期的に交流しており、様々なフィールドで活躍する友人達に、会う度にたくさんの刺激をもらっています。
(2013年9月)