法律を学び、法と社会の関連を追究することで
法的思考に基づく問題解決能力を身に付ける
法律学は法律を学び、法と社会の関連を研究する学問です。公法、民事法、刑事法、国際法などからなる実定法と、法哲学や比較法などの基礎法学に分かれます。法律学科では、実定法科目を中心に、法的枠組みの基本構造、実社会と法制度の関わりに重点を置いています。
法律学の基本的な考え方を養い、脳死判定や夫婦別姓などの法律問題を、対立する利益や主張を十分に理解しつつ解決する方法を学びます。法的思考に基づく問題解決能力を重視し、紛争の背後にある経済環境や社会意識にも配慮した上で法理論の意義や限界を学習します。
人々の価値観が多様化し、生活・労働環境が大きく変容している現代社会では、あらゆる事象が地球規模で起こっています。そうしたなか求められるのが、法律学特有の利益調整方法や問題の発見方法です。法律学科では法知識だけでなく社会的な調整能力を備えた人材を育成します。
法律の基本である「憲法」「民法」「刑法」を中心に、興味・関心に応じた分野の法律が履修できます。法律科目以外にも政治や国際関係、環境問題の関連科目も充実しています。1年次は、「法学入門」「導入演習」を手始めに、基本的人権を中心に学ぶ「憲法」と不動産取引等に関連する「民法」など、法律学の基礎を学習。2年次は統治機構を学ぶ「憲法」や「債権法」「刑法」などを必修とするほか、将来を見据えた履修モデル案に沿って学ぶことができます。3年次からは様々な選択科目を履修できます。3年間で培った知識を駆使して研究、発表、討論の力を磨く、4年次の「演習」は必修科目となっています。
※科目の詳細については、Webサイトのシラバスをご覧ください。
模擬法廷実習風景
本学の大学院には法学専攻のほか、法曹養成専攻、いわゆる法科大学院も併設しています。
上智大学法科大学院は、上智大学法学部の特色を継承し、少人数教育、国際関係法および環境法のスペシャリストの養成に重点を置き、高い倫理観を備え、豊かな人間性を有する法曹の育成を目指します。
四谷キャンパス2号館の1フロアを法科大学院専用フロアとし、模擬法廷や法科大学院図書室など充実した施設を整えています。
設置年:1957年
学生総数:713人(男性:397人/女性:316人)
教員総数:12人
日本国憲法の統治機構(裁判所、国会、内閣、天皇、地方自治、国民)について、基本的な判例・学説をもとに学びます。また近代国家の権力を制約する近代立憲主義の考え方、統治機構の設計と重要性を理解し、その意義と可能性を探究します。
民法を学ぶ入門として、その沿革と基本原理、財産法全体の概説を行います。また基礎概念である人・物・法律行為、代理・法人・時効について順序立てて、六法を使いながら理解を深めていきます。
「契約」について取り扱う民法の基本的なルールを解説します。総論では契約の成立、同時履行抗弁権、危険負担、契約の解除について学習し、各論では売買、賃貸借、請負などの具体的な契約を扱います。
お金の貸し借り、家や土地の明け渡し、離婚などの民事の紛争を取り上げます。訴訟提起、口頭で弁論、和解や判決に至るまでのプロセス、どんな調整が必要かを、原告・被告の目線から学びます。
行政法の通則的部分への理解を深めます。現代社会では私たちの生活や社会活動に行政が深く関わっており、行政が行動する際の法的ルール、行政と市民との法的関係などを明確に認識する必要性が高まっています。講義では伝統的行政法理論、行政手続法、情報公開法などを学び、許認可や行政指導のほか、官民協働などの新しい動きを含めて、さまざまな行政手法ついて、法的な検討を行います。
刑法学は犯罪の成否と刑罰に関する問題を扱う分野です。どのような行為に対して、どの範囲で刑罰を科すべきか、個々の犯罪類型ごとに検討します。また過去の代表的な判例・学説も取り上げます。
会社法は、事業活動の主体である企業が、会社という法的形態を利用する場合の、その組織や運営について定めているルールです。会社法Ⅰはその入門的講義であり、総則・株式・機関などを取り扱います。
会社法における、株式会社の計算、資金調達、設立、組織再編に関するテーマを扱います。経済的な利害対立が先鋭化する事例が多いことを踏まえ、関係者の利害関係を読み解く視点を重視します。