上智大学法学部 Sophia University Faculty of Law

Sophianからのメッセージ

国際的法曹としての基礎が培われた大学時代

小川 聖史(法律学科、2006年卒)
弁護士(長島・大野・常松法律事務所)

 私は2006年に法学部を卒業後、司法試験に合格し、企業法務を取り扱う法律事務所に入所しました。弁護士登録当初は、会社法や独占禁止法の案件を中心に従事しておりました。その後、2014年から英国のロースクールに留学し、2015年から2017年まで経済協力開発機構(OECD)競争課において勤務をした後、弁護士業務に復帰し、現在は独占禁止法に加えて、通商法、EU法などを主要な取扱分野としております。

 私が大学に入学した当時は、このようなキャリアを思い描いていた訳ではありません。上智の少人数教育や国際性に惹かれて入学したというのが率直なところですし、入学後はアルバイトやサークルに没頭していた、ごく普通の大学生であったと思います。

 しかし、法律家としての基礎体力は、間違いなく上智大学時代に鍛えられました。特に、ゼミは、少人数制で学生が主体的に検討を行う方式で行われており、そのような「体力づくり」に役立つところが多かったと思います。私は商法ゼミ(甘利教授)に所属しておりましたが、毎回のテーマは理論的にも実務的にも難しいものが多く、よく中央図書館で色々な文献を調べていたことを思い出しますし、教授からは様々なご示唆や鋭いご指摘をいただきました。司法試験の勉強は辛いものでしたが、上智の授業やゼミを通じて得た基礎体力や論理力を用いれば十分に合格可能だと思います。

 また、上記のとおり、私は2015年から2017年までOECDにおいて勤務しておりました。OECDのような国際機関では、業務に必要な英語力を有していることに加えて、世界的にも通用する専門性を有していることが強く求められます。まず語学に関しては、上智の英語教育のレベルは、ほぼ全ての仕事で英語を使っている今思い返しても非常に高く、これが自分の英語力の原点・基礎となっていると思います。また、専門性に関しては、一朝一夕に身につくものではないですし、結局のところ、法律系の専門性を指向するのであれば、法律的素養や論理的思考力・検討力が重要となるのは変わりません。その意味で、上智において英語力・法律的素養の両面を鍛えたことが、OECD勤務においてもその基礎として役立ったものと考えています。

 大学時代には、かけがえのない友人とも知り合うことができました。また、上智は少人数ですので、教授との距離もとても近いです。在学中はもちろんのこと、卒業後も、海外留学や国際機関勤務などの折り目・節目において教授からアドバイスをいただいており、非常に感謝しております。

 このように、上智においては、例えば、法律家としてキャリアを目指すことも、また、国際機関等における国際的なキャリアを目指すことも、あるいはそれらを両立させることも可能な制度・環境が整っていると思います。現役の学生の皆さん、また、上智大学法学部への入学を検討されている皆さん、是非上智においてご自身の目指されるキャリアを追求してみませんか。

(2018年9月)


APECのワークショップで競争法について講演する小川さん(2017年8月、ベトナム・ホーチミンにて)