学生が実際の法律事務所、官公庁、企業等で、法律家の仕事について実務研修をする法科大学院ならではの制度です。法律家の日常を経験することにより、実践の場でしか見ることのできない法律家の現実、法律家に対する社会の期待などにも直面することとなります。法のプロフェッショナルとして生きる上で知っておくべきこと、考えておくべき多くの課題に、早期に出会えるチャンスでもあります。エクスターンシップを経験した後に、法や法曹に対する考え方が変わったという声もよく聞きます。上智大学法科大学院では、多くの法律事務所や官公庁、企業等の御協力を得て、夏期休暇中あるいは春期休暇中に希望者を派遣しています。
2022年度は全体で20を超える法律事務所・官公庁・企業等にご協力いただきました。
河村 航大
広島修道大学法学部
標準コース 2019年入学(2022年度参加)
私は夏休みの間、総務省消防庁危険物保安室で、エクスターンシップの研修をさせていただきました。
研修では消防法令に関する改正条文の新旧対照表および改め文の作成の補助、大災害を想定した訓練活動を見学する機会がありました。
応募の際に決め手となったのは法令の立案作業に立ち会えるという点でした。普段の勉強で目にするのは既に制定された法令・法律であり、それがどのような目的や過程で立案されたのかを目にすることができません。その現場に立ち会うことができ大変光栄でしたが、作成の過程では自身が提出したものを何度も修正することになり、改正に至るまでの大変さを身をもって感じました。同時に、私たちが法令を目にするまでには多くの方が携わっていることを知りました。
訓練活動の見学をできるというのは消防庁のエクスターンシップならではだと思います。災害報道の裏側ではどのような情報が迅速かつ正確に収集されているのかを知ることができ、とても貴重な経験となりました。
日頃の法科大学院での学びと実務で問題となっている箇所は異なる点が多く、難しさも感じましたが、初めてのことばかりで刺激を受けました。約2週間の派遣期間でしたが、非常に充実した日々を過ごすことができました。