上智大学法科大学院 Sophia Law School

環境法の多様なカリキュラム展開

環境法の最先端を、充実したカリキュラム、そして、ファカルティとともに!

環境法が、ここにある!

 現代社会において、適切な環境管理への法的対応は、ますます重要になっています。上智大学法科大学院においては、環境法に対する深い理解と鋭い実践力を持つ将来の法曹の養成が、教育の大きな柱となっています。

 教育・研究リソースの環境法への集中は、本学の大きな特徴です。「上智大学法科大学院環境法政策プログラム(Sophia Environmental Law and Policy Program,SELAPP)」を組織しています。授業では国内最多の科目が提供され、十分に基礎を踏まえつつも最先端の議論が展開されます。実定法の正確な理解、裁判例の展開の的確な把握、実務を踏まえた環境法の活用。法科大学院最高水準の環境法教育がここにあります。

抜群の選択者合格率

 環境法をひとつの専門分野とする専任の研究者を5名も擁する法科大学院は他にありません。司法試験選択科目のなかで環境法を選択する修了生は、約4割に及びます。また、合格者のうち環境法選択者も約3割であり、この割合は、全国平均の約10倍です。基本法律科目をしっかりと修得したうえで、充実した体制のもとで、楽しみながら環境法をじっくり学ぶ。入学後は、環境法選択を考えてみてください。

バラエティに富むエクスターンシップ

 環境法関係のエクスターンシップ先としては、公害等調整委員会、環境事件を多く手がける弁護士事務所、環境関連企業、企業環境部、環境NPOがあります。関心に応じて環境法実務を体験しましょう。

《環境法科目体系図》

*上記の科目のうち、環境法政策、環境訴訟を含む8単位以上を取得した者は、「環境法プログラム履修証」授与の申請資格を得られる。

講義科目の例――司法試験にも環境実務にも対応した講義内容

環境法政策/北村喜宣教授

 環境法の基本理念などを概観したあと、判例・行政実例のなかにあらわれた法的・法政策的論点について、個別環境法を素材に検討します。さらに、「地方分権時代の環境法」という観点から、法律の条例の関係、自治体現場における法政策および法執行の実態をとりあげます。

環境訴訟/越智敏裕教授

 民法、行政法及び環境法政策についての基礎的理解を有する学生を対象に、主要な環境訴訟類型の判例・事例検討を通じて、様々な分野・段階における環境紛争を司法審査により解決する手法を学びます。

環境法教育の全体像については上智大学法科大学院環境法政策プログラム(SELAPP)のウェブサイトをご覧ください。

環境法政策プログラム(SELAPP)のウェブサイト

Q
環境法は、需要が少ない?
A
いいえ。環境事件は決して少なくありません。また、土壌汚染対策法や廃棄物処理法のように、企業経営に密接な関わりを持つ法律も多く、それらに精通した法律家が今まさに求められています。
Q
環境法は、他の科目とつながりが少ない?
A
いいえ。環境法の学習には、民事訴訟や行政訴訟の基本的な知識が必要です。環境法は、民法や行政法を応用的に学習できる分野といえます。コストパフォーマンスのよい選択科目です。

SELAPP Seminar

 現代社会は、環境法に対してさまざまな課題を突きつけてきます。環境法はそれを敏感に受けとめて、解決策を模索しなければなりません。シンポジウム形式で半日かけて開催されるこのセミナーでは、SELAPPとしての問題意識を提示し、環境法政策の第一線で活躍する報告者の報告をもとに、参加者全員で議論をします。


第13回 SELAPPセミナー「環境犯罪の実情と対策」(2016年5月7日)
(右から、石渡正佳・千葉県職員、中村桂子・全国野鳥密猟対策連絡会事務局長、津田隆好・警察庁生活安全局生活経済対策管理官、北村喜宣・本学教授)

公害等調整委員会でのエクスターンシップ

(公害等調整委員会 派遣)
宮前 汐葉
上智大学法学部出身
短縮コース 2022年入学

 私は夏休みの間に公害等調整委員会で一週間、エクスターンシップの研修をさせていただきました。私は上智大学法学部出身で、学部生の頃から環境法に興味を持っていたため、普段学んでいる環境法が実務でどのように扱われているのかを体験したいと思い、派遣を希望しました。

 一週間のエクスターンシップでは、今まで公害等調整委員会が扱った事件の歴史や係属中の事件についてどのような審理が行われているのかを学びました。同席した会議では、職権調査について、調査を行う必要があるのか、当事者の紛争解決に資するのか、どの範囲で調査を行うのかについて詳細に検討していた点が印象的でした。法令の適用や解釈だけでなく、当事者の紛争の解決という目標を達成するためには何を行わなければならないのかを考えるという実務的な部分を体験することができ、環境問題における紛争解決の難しさを実感しました。一週間を通して、学校の授業だけでは学ぶことができない貴重な経験をすることができました。

環境法選択修了生の現在

弁護士
林 勇介
柳田国際法律事務所(大手証券会社に出向中)
東京理科大学理工学部出身
短縮コース 2015年修了
司法修習69期

 私は、企業法務系の法律事務所に所属し、現在は証券会社に出向しています。企業では廃棄物処理の契約や環境法関連の各種届出は必要ですし、M&AやJVにおいても、環境法関連のリスクは考慮要素ですので、実務で環境法に携わる機会は少なくありません。また、グローバルで注目されているSDGs(国連サミットで採択された国際目標)でも環境関連の項目が複数挙げられており、社会的なニーズは高い分野だと思います。環境法を本学で学ぶ利点は、充実したカリキュラムにあります。教授陣は、受験生が食べ切れないほど豊富なコンテンツを用意しており、学内だけで十分と自信を持って言えます(選択科目では奇跡でしょう)。

弁護士
岩田 浩
株式会社メルフィス ソリューション第2部 アドバイザリーサービス課
上智大学法学部地球環境法学科出身
短縮コース 2007年修了
司法修習63期

 私は、司法修習終了後、三菱電機株式会社の子会社で勤務を開始し、三菱電機グループ会社の法務支援(契約書審査、労働法、会社法、建設業法、下請法、環境法等の企業法務案件全般の対応やこれらに関する講演)を担当しつつ、個人で訴訟等の紛争案件(相続・遺言、損害賠償請求、貸金返還請求、交通事故等)にも携わっています。

 上智では、独学では理解し難い事項について、第一線でご活躍されている先生方の考えを学ぶことができます。企業活動や日常生活において環境法の重要性が年々高まってきているので、環境法を学ぶことをお勧め致します。

弁護士
髙木 勝瑛
弁護士法人 ALG&Associates 東京法律事務所 企業法務事業部
成城大学法学部出身
標準コース 2020年修了
司法修習74期

 私は、現在、企業法務系の法律事務所に所属し、労務を中心に企業の抱える雑多な法律問題に対応しています。そして、企業からの法律相談では、環境法分野に関する手続きや解釈についてのものも少なくありません。

 また、上智では、環境法分野において、第一線で活躍されている先生方による講義が数多く開講されており、環境法分野のカリキュラムは、「これをこなせば司法試験の勉強としても十分」といえるほど、充実したものとなっています。

 選択科目に迷っている方は、上智大学法科大学院で、環境法を学んではいかがでしょうか。

法科大学院スタッフが中心になって定期的に行われているイベント

上智大学環境法研究会

 上智大学大学院法学研究科研究者コースの学生が中心になり、学内外の研究者と学生に対して開かれた研究会です。数ヶ月に一度のペースで、主として研究者による報告をベースに、3時間程度の議論をしています。基礎的な研究から最新の法政策・判例まで、環境法や公法に関する学界最先端の議論に触れることができます。

Environmental Law and Policy Café

 忙しい法科大学院生に対して、少しでも環境法政策を身近に感じてもらいたい…。そこで、毎年数回、ランチタイムに学内外からさまざまな分野のゲスト・スピーカーを招き、話題提供をしていただき議論をする50分のミニ企画です。 ELP Caféは、学生にとっては、お弁当を食べながら、各界の第一人者のお話が聴けるという贅沢な時間です。

Ecology Law Seminar

 内外に開かれたこのセミナーは、毎学期、開催されます(一部有料)。産業廃棄物規制や企業環境法に関する最近のトピックスについて、弁護士、行政書士、研究者、行政実務家、環境コンサルタント、環境NPOが参加する講義シリーズです。最先端の話題や実務に密着した取組みが議論されます。法科大学院生は、無料で参加できます。