法科大学院の環境法関係科目は、以下の通りです。シラバスに掲載されている授業概要を示してあります。また、一覧表にあるように、法学部においては、法科大学院以上の数の科目が提供されています。これだけの環境法科目をそろえているのは、日本では、上智大学だけです。
■科目名をクリックしてください。詳細が表示されます。

○法学部における環境法関係科目
環境法入門、環境法総論、環境訴訟法、環境刑法、廃棄物リサイクル法、自然保護法、企業環境法、自治体環境法、環境法各論、比較環境法、アメリカ環境法、ヨーロッパ環境法、アジア環境法、国際環境法、環境倫理学、環境社会政策論、環境社会学、エネルギーと法、規制と政治、地球環境論、企業環境マネジメント論、環境法特殊講義Ⅰ、環境法特殊講義Ⅱ、環境問題特殊講義各科目のシラバスのいくつかについては、上智大学ウェブサイトに掲載されています。

■環境法政策
北村喜宣教授
「環境法政策」の授業は、「環境訴訟」と並んで環境法の基幹科目である。本講義では、環境法の基本的考え方、環境法システムのメカニズムを概観したあと、法律・裁判例・行政実例にみられる法解釈的・法政策的論点について、主要実定環境法を素材にして検討する。環境法が実際に使用される自治体現場にも着目する。「なぜそうした制度になっているか」「改正の背景はどのようなものか」「どのような改正が望ましいか」といった点にまで思考の視野を拡げてみたい。授業は、配布レジュメにある「Q」を議論することを中心に展開される。廃棄物処理法については「廃棄物・リサイクル法」の授業に、自然公園法については「自然保護法」の授業に、それぞれ委ねる。
■環境訴訟
越智敏裕教授
民法及び行政法についての基礎的理解を有する受講者を対象に、主要な環境訴訟類型の判例・事例検討を通じて、様々な分野・段階における環境紛争を司法審査により解決する手法、すなわち環境訴訟の理論と実務を学ぶ。
授業では、主として個別的な環境紛争解決を念頭に置くが、環境訴訟とりわけ環境行政訴訟の政策形成機能にも着目する。その際には、必要に応じ比較法としてアメリカの環境訴訟に触れる。
訴訟の前提となる法制度や環境問題についての概説・確認は講義形式で行うが(一部は受講者の独習に委ねる)、具体的な事例・裁判例の検討については、受講者の予習を前提として多方向的な授業を行う。なお、関連科目との役割分担及び時間的制約から、航空機騒音、原発等一部の訴訟分野は取り扱わないか、軽く触れるにとどめる。なお、各分野の環境法政策の要点にも随時触れる。
■企業環境法
筑紫圭一教授
企業の活動は一般論として環境負荷が大きく、その法的責任が歴史的に拡大してきた。本講義では、企業に対する法的統制の現状と課題を分析・検討する。とくに、規制者である行政の視点を踏まえつつ、被規制者である企業の視点に重きを置いて、現行の環境法制を検討する。
■国際環境法
堀口健夫教授

越境大気汚染の防止、海洋生物資源の保存、地球温暖化の防止等、今日我が国が直面している環境問題の中には一国では対処できない問題が様々に存在しており、それらに対処するための国際法の規則や制度が発展してきている。この授業では、こうした環境分野の国際法(=国際環境法)の基本枠組や主要論点を講義する。環境分野においては、伝統的な国際法の理論や制度が問い直されつつあり、その意味においても、国際環境法の特性の理解を深めることは、より広く国際法秩序に対する理解を深めることでもある。また環境条約の目的の実現は各国の国内法制における実施に大きく依存していることから、そうした国際法と国内法との連関も検討の射程に入れつつ授業を進めていく。
■環境刑法
津田隆好(非常勤講師)警察大学校警察政策研究センター所長(元鳥取警察本部長)
○環境の保護に関し、警報と刑罰がどのような機能を果たし、また、果たすべきであるかについて、警察実務家の観点から具体的事例を中心に検討する。
○環境諸法の刑事罰が適用される具体的事例や実務上の問題等を学ぶことを通じて、環境法各論の基本的な事柄への理解を一層深める機会を提供する。
■比較環境法
及川敬貴非常勤講師(横浜国立大学教授)
行政活動を行うに当って、いかなる場合に、どの程度の環境配慮が確保されねばならないのか。本講義では、この問題が、日米環境行政法の解釈論・立法政策論においていかなる論点となって表出しているのかを捕捉し、比較検討を行う。この作業には、「他事考慮か、適正配慮義務か」という行政法学上の古典的な論点を、環境法の観点から捉え直すという意味をも持たせたいと考えている。
■自然保護法
桑原勇進教授
日本における、自然保護を目的とする法律および自然保護と密接な関係を有する法律を概観し、その意義および問題点を考察する。
■環境法基礎
筑紫圭一教授
空
本講義では、環境法総論、環境法政策、環境訴訟に関する導入講義を行う。
環境法総論としては、日本における環境法の発展経緯とともに、環境法の目的や基本的な考え方を説明する。環境法政策に関しては、様々な環境法政策アプローチ(強制的アプローチ、経済的アプローチ、情報的アプローチなど)に着目し、それぞれの特徴と導入可能な場面を説明する。また、いくつかの個別法を取り上げ、環境法の基本的な構造も解説する。環境訴訟の回においては、主要な環境判例を読み、その基本的な論点を説明する。
空
■廃棄物・リサイクル法
北村喜宣教授
空
事業活動や家庭生活に伴い発生する不要物を極小化するとともに資源循環を促進することは、持続可能な発展を実現するために必須の社会政策である。環境法の一分野である廃棄物・リサイクル法制は、現代社会における重要な使命を担っている。
この法制は、環境基本法および分野別基幹法である循環型社会形成推進基本法のもとで、廃棄物処理法を中心に展開されている。環境法学習の観点から重要なのは、廃棄物処理法である。本講義では、同法を中心において、関係する法制度を解説する。
Copyright (C) 2010 SOPHIA LAW SCHOOL. All Rights Reserved.