上智大学法学部 Sophia University Faculty of Law

法曹コース出身の司法試験合格者体験談

N.Mさん(女性)
2023年司法試験合格 受験回数1回
上智大学法学部法律学科卒

法曹コースの魅力を教えてください。
 法曹コースの魅力としては、従来の制度よりも2年早く司法試験を受けることができるという点が挙げられます。しかし、私が実際に上智法曹コースに進学して感じた魅力はそれだけではありません。
 私は、大学1年生の頃から法曹を志望していましたが、上智大学は法曹志望者が決して多くないため、同じ志を持つ人をほとんど見つけることができませんでした。しかし、法曹コースに進学したことで、共に勉強する仲間を見つけ、互いに支えあって勉強することができました。司法試験に向けた勉強をしていく中ではつらいときも多くあるため、共に乗り越える仲間と出会えるという点は大きな魅力であるといえます。
 また、上智では法曹コースの学生に対し、司法試験合格に向けた特別なプログラムが提供されています。特に自分が書いた司法試験の過去問の答案を、現在弁護士として活躍されている先生に添削していただくプログラムでは、丁寧に、直すべきポイントや良かった点を指摘していただくことができ、とても自分の学習の助けになりました。それだけではなく、添削された答案を見て分からないことや気になったことなどを添削者の先生に気軽に質問することもできました。自分が書いた答案について弁護士の先生に読んでいただき、さらに解説を聞いたり質問を直接したりすることができるプログラムは、少人数かつ、親身な先生方が多くいる、上智法曹コースならではの貴重なものであったと思います。
司法試験を志した経緯、理由を教えてください。
 私は大学受験のとき、自分が将来、何を武器に社会で生きていくかを考えました。そのときに、様々な分野に進んでいく友人を広く支えていけるのは法律の知識であると思い、法律を武器にするために法学部に進学することを決めました。法学部に進学してから司法試験の受験を意識し始め、法曹コースに進学して講義を受けているうちに、司法試験を受験するという意思が固まりました。
法曹コースに進学した経緯を教えてください。
 私は、司法試験を受験することを決めた後、予備試験受験や他大学の法科大学院への進学をすることを検討していた時期がありました。予備校も利用していたため、法曹コースをやめ予備校の授業のみで司法試験を受けようと考えたこともありました。
 しかし、自身の性格に鑑み、モチベーションを維持していくうえで身近に同じく司法試験を志す仲間がいる環境の方が最後まで頑張ることができそうだと考え、先生方や両親と相談し、法曹コースでの学習を主軸に、予備校教材を副次的に利用することを決め、法曹コースに進むことにしました。
 結果として、私自身は法曹コースに進学し、上智大学法科大学院で在学中受験をするというルートが一番合っていたと思います。良い結果を出すことができましたし、法曹コースで勉強していた時間はよい思い出にもなりました。
学部法曹コースでの学習状況を教えてください。
 学部時代はサークル活動やアルバイトもしていたので、毎日欠かさず日々の大学の授業以外の自主学習をしていたわけではありませんが、定期試験対策の勉強だけは力を入れて取り組んでいました。定期試験の2週間前からはサークルもアルバイトも休み、授業のノートやレジュメを見返して要点をノートにまとめたり、テスト範囲の内容が書かれている基本書を読んで、授業が入っていない時間は基本的にテスト勉強にあてていました。正直なところ、2週間足らずで詰め込んだ知識はあまり定着せず、定期テストが終わるとすぐにほとんど忘れてしまいましたが、一度でも読んだことがある、考えたことがある状態にすることにより、後々もう一度勉強した際の理解が早くなるため、全く意味がないとは言えないと思っています。また、勉強するべきときに集中して勉強に取り組むという姿勢を身に着けておくことも司法試験がより近づいてきた時期のことを考えるととても重要だと思います。
法曹コース生としてロースクールに進学する場合、2年生として入学することになり、3年生の7月には司法試験を受験することになります。つまり、ロースクール入学から1年3か月ほどで司法試験を受験するというハードなスケジュールだったかと思いますが、ロースクールではどのように学習されていましたか?
 ロースクール1年目の既修2年生の頃は、授業のコマ数が多かったので、予習復習や定期テスト対策勉強に追われていました。ロースクール2年目の春はほとんど授業がなかったので、毎日自習室で司法試験に向け、論文答案を書いたり、短答問題を解いたりしていました。また、自主ゼミを多く開き、他の生徒と答案を読みあったり、自分たちで作った穴埋め問題を解きあったりして学習を進めていました。ロースクール在学中に司法試験を受験するまでは、土日も含めてほぼ毎日自習室に通い、夜9時頃まで勉強するようにしていました。周りの学生と励ましあって勉強をしていた毎日は、大変でしたがとても良い時間でした。
司法試験合格に必要なことを教えてください。
 私は、司法試験合格に必要なことは自己分析であると思います。人はそれぞれ得意なこと、苦手なことが異なり、学習の進み具合も様々です。予備校により考えつくされたカリキュラムや、私のような合格者が語る勉強法など様々な情報を耳にすると思いますが、それに左右されすぎることなく、まずは自分の能力や性格を分析し、適切な勉強内容と方法を知ることが不可欠であると思います。そのうえで、自分に合った正しい方向の努力をすることが司法試験合格に近づく道であると私は考えています。