複雑・高度化する国際社会の
法律・政治問題にスポットを当てる
国際社会における外交、国際紛争、難民、商取引、婚姻などに関する法律・政治問題を扱います。国際関係法について日本で初めて設立された学科で法学を基礎に国際関係を分析します。国際関係法とは国際法や政治学全般を指すもので、国際関係を理解する際に必要な学問の総称です。
経済活動のグローバル化や技術の発達で国際化する現代社会。そこで、憲法・民法・刑法・国際法など基礎を十分に身に付け国際関係の具体的問題を扱う法律・政治分野を学びます。法学・政治学に基づく国際関係の分析方法、国際舞台での活躍に必須の語学力や教養を身に付けます。
法学に基づく国際関係分析を中心に、語学力や広い教養を身に付け、将来、国連職員、外交官や弁護士として国際社会の諸問題に対処できる知識と能力などを養います。また一般企業で国際的な職種や、渉外的な仕事を目指す者、国際学術交流に貢献する研究者などを育成します。
法学の基礎を学ぶ「憲法」「民法総則」「国際法総論」などを必修科目として、伝統的な国際関係法科目や最先端科目も学べます。外務省などの実務経験者を招聘した「特殊講義」、外国語文献を読む特修コースAQUILAの科目のほか、法学部の他2学科の科目を履修できる点も大きな特徴です。1年次は法律学の基礎を学びます。2年次は法律の基本科目とともに「国際法」「政治学」などへ分野が広がり、将来を見据えた履修モデル案に沿って学習できます。3年次からは国際法の具体的な問題を扱う科目が開講され、生きた法や政治に触れることが可能。4年次の「演習」は必修科目です。
※科目の詳細については、Webサイトのシラバスをご覧ください。
出口耕自教授授業風景
国際関係法学科は、近年の急激なグローバル化現象に鑑み、新たにグローバル人材を養成するための特修コース「AQUILA(アクィラ)」を開設しました。「AQUILA」は本学の校章である「鷲」のラテン語名です。国境を超えて飛翔する人材をイメージしました。新設コースは英語による授業をコース科目とし、所定の単位数などを満たした学生にコース修了認定を行います。高い専門性に裏打ちされた高度な語学力の習得を通じて、多文化共生社会を支える人材育成に努めます。本学科生は、従来通り日本語を用いて思考力・表現力を鍛錬する法学授業を履修しますが、コースに登録することにより、それに加えて英語による発信力を強化することができます。
設置年:1980年
学生総数:443人(男性:209人/女性:234人)
教員総数:10人
国内法と大きく異なる構造をもつ国際法について、現在の形に至る歴史的背景と、成立形体、国際法の主体、国家の基本的権利義務、国家管轄権など、その基本構造となる概念や制度を学習します。
さまざまな社会現象を「政治学的な見方」で分析し、法学や経済学とは異なる政治学の分析枠組みの特徴と有用性を理解します。複雑な社会現象を政治学的かつ体系的に理解する力を身につけます。
国際婚姻や国際契約のような私人間の関係を規律する国内法である国際私法について、基礎概念や基礎理論を学習し、通則法の条文の趣旨について理解を深めます。
国内外の判例や事例問題、実際の契約書などを題材として、国際的な売買契約を中心とした商取引に関する法的問題を、適用法規、主体、契約、規制、紛争処理など、多様な角度から総合的に学びます。
日本や国際社会が直面するさまざまな国際紛争に対して、国際法がどのように関わるかを、処理の過程や手段、強制措置や国際裁判について検討しながら、具体的な紛争事例を題材として学びます。
GATT(関税及び貿易に関する一般協定)、WTO(世界貿易機関)を中心とした現代国際通商体制の法制度と政策の概要を把握し、個別条文の解釈が理解できる力を身につけます。